更年期障害
女性は40歳代ころより少しずつ卵巣機能が低下し始めます。
およそ1年間、生理がこなくなった状態を閉経と呼びます。日本人女性の閉経年齢は50.5歳です。
閉経前後の5年間を更年期と呼び、この期間に現れる様々な症状の中で、他の病気に伴わないものを更年期症状と呼び、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたすものを更年期障害と呼びます。

更年期障害の症状
大きく分けて3つに分類されます。
① 自律神経失調症状: のぼせ、汗、寒気、冷え症、動悸、胸痛、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい
多彩な症状がみられますが、これが他の病気の症状でないか検査することも大切です。
更年期障害の治療
更年期障害の主な原因が卵胞ホルモン(エストロゲン)の減少にあるため、少なくなったホルモンを補う治療法(ホルモン補充療法:HRT)が有効です。
しかしHRT療法が行えない方、重度の活動性肝疾患、乳がんにかかっている方、現在子宮体癌にかかっている方、原因不明の性器出血がある方、妊娠が疑われる方、急性血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症の方とその既住のある方、心筋梗塞および冠動脈に動脈硬化性病変の既住がある方、脳卒中の既住がある方、その他にも服用に注意が必要な方がいらっしゃいます。
当院では漢方・プラセンタ・サプリメントなどを使用し、症状の緩和を目的とした治療を行っております。
(当院ではホルモン補充療法は実施しておりません。)
漢方は多くの生薬を組み合わせることにより更年期にみられる女性特有のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。東洋医学では、病は気・血・水の乱れで起こるといわれています。
三大漢方婦人薬と言われる、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などが治療に用いられます。
当帰芍薬散は水毒によるめまいや冷え症に、加味逍遙散は気逆・気鬱による不眠、イライラ、のぼせに、桂枝茯苓丸は於血によるのぼせ、肩こり、頭痛に効果がみられるとされています。
その他症状に合わせて処方を行っております。